ジルコニアセラミックとはどんな素材? 向いている症例と特徴

監修医師 秋山 正憲(あきやま まさのり)/歯科医師 審美治療・精密治療担当/SJCD レギュラーコース・マスターコース修了/カナダ・バンクーバー Megadental 研修修了/マイクロスコープを活用した精密審美治療を専門とし、患者様お一人おひとりの歯の特徴に合わせたセラミック・ラミネートベニア・ダイレクトボンディングをご提供しています。

セラミック治療を調べているとよく出てくる「ジルコニア」という素材。名前は聞いたことあるけれど、他のセラミックと何が違うのかわからない、という方も多いと思います。今回はジルコニアの特徴と、どんな症例に向いているのかをお伝えします。

目次

ジルコニアとは何か

ジルコニアは「ジルコニウム」という金属の酸化物から作られたセラミックです。「セラミックなのに金属?」と思われるかもしれませんが、ジルコニア自体は金属ではなく、白い陶材です。金属アレルギーの方にも使用できる生体親和性の高い素材として知られています。

最大の特徴は、強度の高さです。他のセラミック素材と比べて割れにくく、奥歯のような噛む力がかかりやすい部位にも対応できます。金属の被せ物(銀歯)と同等以上の強度を持つとも言われています。

ジルコニアが向いているケース

奥歯の被せ物を白くしたい方、歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方、噛む力が強い方などに向いています。従来のガラス系セラミックは強度の面で奥歯への使用に限界がありましたが、ジルコニアならほぼすべての歯に対応できます。

ジルコニアと他のセラミックの違い(比較表)

ひとくちに「セラミック」と言っても、実際にはいくつかの種類があります。代表的な素材の特徴を整理すると、次のようになります。

素材 強度 透明感・審美性 向いている部位の例
フルジルコニア(単一素材) 非常に高い やや控えめ 奥歯・噛む力が強い部位
ジルコニアセラミック(ジルコニアの内冠+陶材の築盛) 高い 高い 前歯など見た目を重視する部位
ガラス系オールセラミック 中程度 非常に高い 前歯・小さな詰め物

「ジルコニアセラミック」は、内側に強度の高いジルコニアを使い、外側に歯科技工士が陶材を盛り付けて色調を再現する方法で、強度と審美性のバランスを取りやすい構成です。一方、単一素材で作るフルジルコニアは強度に優れる反面、細かな色の再現ではひと工夫が必要になることがあります。どの構成が適するかは、部位・噛み合わせ・ご希望の見た目によって変わります。むし歯の大きさによってはセラミック以外の選択肢もあり、小さい虫歯はレジン(CR)かセラミックか|違い・費用・長持ちの記事でも詳しく解説しています。

ジルコニアのデメリットと注意点

強度が高いことはメリットである一方、注意点もあります。まず、素材が硬いぶん、噛み合う相手の歯(対合歯)への配慮が必要です。表面をよく研磨して滑らかに仕上げ、噛み合わせを適切に調整することで、対合歯への負担を抑えることが大切とされています。また、被せ物に必要な厚みを確保するために歯を削る量は素材や設計によって変わるため、歯をできるだけ残したい方は設計方針も含めて歯科医師とご相談ください。

なお、ジルコニアを含むセラミック治療は原則として保険適用外の自由診療です。費用・治療期間・通院回数は歯の状態や本数により異なり、破折・脱離・治療後にしみる症状などのリスクや、仕上がり・耐久性には個人差があります。具体的な費用や治療計画は、診察のうえでご説明します。

前歯にジルコニアを使う場合の考え方

前歯は「白ければよい」わけではなく、隣の歯との色の調和や、先端のわずかな透け感まで含めた自然さが求められます。素材の性質上、ジルコニア単体ではガラス系のオールセラミックと比べると透明感が少し劣ることがあります。前歯に使う場合は、透明感を再現した「ジルコニアオールセラミック」など高品質な素材を選ぶことで、自然な仕上がりに近づけることができます。前歯か奥歯か、透明感を重視するか強度を重視するかによって最適な素材が変わります。調布・布田・国領エリアでセラミックの素材選びについてご相談がある方は、お気軽にどうぞ。

ジルコニアを長持ちさせるために

どんなに強度の高い素材でも、噛み合わせの変化や歯ぎしり・食いしばり、被せ物と歯の境目のむし歯(二次う蝕)によって不具合が起こることがあります。就寝時のマウスピース(ナイトガード)の活用や、定期的なメンテナンスで噛み合わせと歯ぐきの状態を確認することが、結果的に被せ物を長持ちさせることにつながります。素材選びで後悔しないための考え方はセラミック治療で後悔した人の話 — 原因と防ぐための準備でもまとめています。歯と口の健康に関する一般的な情報は、日本歯科医師会が運営する情報サイト「テーマパーク8020」でも紹介されています。

よくある質問(FAQ)

Q1. ジルコニアとセラミックはどちらがいいのですか?

A. どちらが優れているというものではなく、部位と目的によって適した素材が変わります。噛む力がかかる奥歯では強度に優れるジルコニア、見た目を重視する前歯では透明感のあるガラス系セラミックやジルコニアセラミックが候補になりやすい、というのが一般的な考え方です。

Q2. ジルコニアの値段はどのくらいですか?

A. 自由診療のため医院ごとに設定が異なり、素材の構成(フルジルコニアか築盛タイプか)や部位によっても変わります。当院では診察のうえ、治療計画とあわせて費用をご提示しています。

Q3. ジルコニアは何年くらいもちますか?

A. 使用年数は噛み合わせ・歯ぎしりの有無・日々のケア・定期メンテナンスの状況によって大きく変わり、一概に「何年もつ」とお約束することはできません。長く使うためには装着後の管理が重要です。

Q4. 金属アレルギーがあってもジルコニアは使えますか?

A. ジルコニアは金属を含まない素材のため、金属アレルギーの方の選択肢になり得ます。ただしアレルギーの状態は個人差があるため、必要に応じて医科での検査結果も踏まえてご相談ください。

Q5. ジルコニアにデメリットはありますか?

A. 硬さゆえに噛み合う歯への配慮が必要なこと、単一素材では透明感がやや控えめなこと、保険適用外であることなどが挙げられます。設計と調整で対応できる部分も多いため、気になる点は診察時にお尋ねください。

Q6. 銀歯からジルコニアに替えることはできますか?

A. 歯や根の状態によりますが、既存の金属の被せ物・詰め物をジルコニアなど白い素材に置き換える治療は一般的に行われています。土台の歯の状態を確認したうえで、適した方法をご提案します。

セラミックの素材選びに迷ったら当院へご相談ください

「奥歯を白くしたいが強度が心配」「前歯の色を自然に合わせたい」「銀歯が気になっている」——そのような場合は、一度歯科医院で相談してみることをおすすめします。当院では、カウンセリングでご希望を伺ったうえで検査を行い、部位・噛み合わせ・ご予算に応じた素材の選択肢を、利点・欠点の両方を含めてご説明します。治療をお急ぎでない段階のご相談も可能です。費用や保証の考え方は費用・保証についてのページをご覧のうえ、まずはお気軽にお問い合わせください。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療方針は診察のうえ個々の状態により異なります。詳しくは歯科医師にご相談ください。

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